株式会社ナグテツ(新潟県上越市)
新潟県内で新潟市、長岡市に次ぎ、3番目に人口の多い上越市。新潟県の南西部に位置し、日本海にも面しています。海岸部、平野部、山間部とそれぞれ特徴のある地域を合わせもち、昔から交通の要衝としても栄えてきたまちです。今回ご紹介する株式会社ナグテツは、上越市の中でも海岸部に位置する名立区で2019年に鉄骨加工をスタート。さらに他県にもアクセスしやすい環境を強みに、2022年4月には運搬を主とする会社を新たに設立。いま勢いのある企業の一つです。
人は財産。みんなが集まってくれたから今のナグテツがある。
「あまり歴史のない会社なので、それくらいしか喋れないんですけど。」
そう控えめに話し始めた代表取締役社長 名倉裕希さんは現在27歳。工場長とふたりでスタートした会社は4年間で社員23人を抱えるほどになりました。さらに今年は本業の鉄骨加工に加え、運搬業務も組織化。株式会社ナグテツトランスポートを設立し、グループ化を進めています。その若さでここまで会社を育て、社員を束ねる秘訣とは一体なんなのでしょうか。
「僕が会社を大きくしたというより、みんなが集まってくれたから大きくなったんです。こうしようとしてなった結果というよりも、今いるメンバーの結果がこうなったって感じですかね。」
名倉社長は淡々と自身の会社をそう振り返ったあと、そう考えるに至るある人の教えがあったことを話してくれました。その教えとは「人材の材は材料の材じゃない、財産の財だ」ということ。
「これはある取引先の先代の会長の言葉で、ずっと肝に銘じています。」
風通しの良い職場をつくる工夫
名倉社長の心に刻まれた「人財」という言葉。実際に「人財」である社員たちとは、どのような関係を築いているのでしょうか。社員との関わり、社員同士のコミュニケーションを深めるために意識していることについて聞いてみました。
「この仕事は他人がいないとできないので、1チームになることを意識してやっています。僕自身も工場で一緒に仕事することも多いです。事務所と工場ってただ仕事しているとあまり橋渡しがないんですよね。なので冬に事務所の女性陣に豚汁を作ってもらって、工場の人たちに振る舞うというちょっとしたイベントをやったこともあります。みんな美味しそうに食べていましたし、体も心も温まりましたね。豚汁自体は会社設立時からの恒例というか、僕自身の趣味みたいなものなんですけど。そういうちょっとしたことを通して社員たちのコミュニケーションの場を作る意識はしています。」
ナグテツでは豚汁をはじめ、BBQなど業務以外で社員同士のコミュニケーションを図る場があるそう。危険も隣り合わせの鉄骨加工の現場は緊張した雰囲気がありつつ、社員の皆さんにお話を聞くと和気あいあいと楽しそうだったのは、交流を深める機会があるからこそです。そんなナグテツの職場はオンオフのはっきりした、気持ちのよい空気が流れていました。その背景には社長自身の経験が大きく影響しているようです。
「前職は仕事をするためだけに会社に行っていて、やっぱり面白くなかったんですよね。せっかく仕事するなら面白く楽しくしようとはずっと考えていて。その延長線上に今があるのかなと思います。」
やる気次第で、人はどうにでもなれる
名倉社長に今後の展望についてお聞きすると、その穏やかな表情の裏でしっかりと会社経営や社員の処遇について考えていることが伺えます。
10月末には塗装工場と新しい事務所が着工、2023年2月に竣工の予定。規模拡大とともに、子会社との兼ね合いもあり事務所も整理することになりました。今後は大きい事務所に2つの会社が入り事務員も増やす予定です。その際、事務所を分けずグループとして1チームで仕事をしていくというのが今後の目標だと言います。
「子会社ができ、グループ化することで利益も増えます。給料面・待遇は一本でやっている会社よりはよくなりますし、社員同士はすでに1チームで仲がよいので人付き合いの楽さはあるんじゃないかなと思います。なにより各々の工程に頼れる人がいることは、新しく入る方にとっては安心ですかね。」
そんなナグテツの重要な採用基準は「人柄」。その理由を名倉社長はこう語ります。
「いま働いている社員は、和気あいあいとみんなと喋れるような人が多いです。そういうキャラクターの方が伸びもするだろうし、仕事も覚えやすいですよね。未経験の方でも採用する枠はあります。やる気があれば誰でもできますよ。」
鉄骨加工というと、職人・専門職というイメージが強く、誰でもできるイメージがない方も多いのではないでしょうか。危険を伴うからこそ、真面目に取り組むこと、きっちり仕事を覚えることは必須ですが、ナグテツの仲間になるには経験よりも大切なことがありました。一から学ぼうとするやる気、そしてともに働く仲間と関係を築く力。それがあればどんな人にもチャンスはあります。
スキルを磨く。新たな分野へのチャレンジ
次は実際にナグテツで働く社員の皆さんにお話を聞きました。お一人目はナグテツトランスポート専務取締役の樋口実さん。主にナグテツの運搬業務を担当しています。21歳で大型免許を取得してからずっと運送業に従事してきた樋口さんですが、鉄骨を運ぶことは初めてだったと言います。
「鉄骨は一回も構ったことがなかったので、勉強がてらやってみようかなと思って始めたんです。鉄骨って当たっただけで怪我や事故につながるので、はじめは本当に大変でした。鉄骨業って職人なんですよね。自分のスキルを磨くためにいろんなところへ仕事に行きたいという気持ちでいたので、ここで鉄骨を構って自分のスキルが上がったかなという認識はあります。」
そんな樋口さん、ナグテツに入社して1年5ヶ月で専務取締役に抜擢されました。社長が認める樋口さんの魅力とは一体なんなのでしょうか。「鉄骨業は楽しいですか」という質問の答えに、その魅力が伺えました。
「製品の名前を覚えたり、自分で積み込みが一人前に出来るようになったりして、みんなと会話ができるようになったことが楽しいですね。自分が理解できているから、鉄骨の仕事に関しての会話が膨らんだんです。そこで他の社員とコミュニケーションが取れるじゃないですか。それが一番楽しいかもしれないですね。」
一つひとつの仕事に真面目に取り組む。その日々の積み重ねから見出す楽しみ。それを仲間と共有する喜び。樋口さんは職人気質な真面目さとともに、自分自身を俯瞰して見る客観性や他者との関係へもつながる視野の広さを合わせ持っていました。他の社員の方々に話を聞くと、皆さん口々に「樋口さんはみんなに優しい」と言います。その言葉や表情からは、樋口さんに対する安心感と信頼感がにじみ出ていました。
自分に合う仕事かは、やってみて考えればいい。
「鉄骨は特殊な仕事なので、昔からやってきた方ならわかるけれど未経験の方には難しいこともあります。初めての方は興味本意でも、そこで仕事して実感してくれたらいいと思います。自分に合っているか合っていないか、やってみて判断してもらえばいいんです。ナグテツはそういう方を受け入れられる土壌のある会社ですから。私も初めは大変でしたよ。」
鉄骨に関して未経験だったからこそわかること、そして経営に関わる立ち位置としてこれからともに働く仲間へ、温かいメッセージをいただきました。
遠くても通うことを決めたのは
お二人目は設計事務を担当している杉浦美香さん。取材時はナグテツに入社して3ヶ月目。製造業や接客業などさまざまな職種を経験してきた中で、ナグテツを選んだ理由について次のように語ってくれました。
「前職でも鉄工所に携わらせていただいていたこともあり、求人票を見ていいなと思っていました。でも家から結構距離があって、ちょっと悩んでいたんです。でも実際に見学に来たときに職場の雰囲気がよく、女性もいて、ここなら安心して仕事ができるなといいイメージができました。やりたかった仕事もチャンスをいただくことができて、そこからはトントン拍子でした。」
期待を持って入社した杉浦さん。仕事を始めてみて想像していたものとのギャップなどはなかったのでしょうか。
「鉄骨業と言うと職人さんというイメージがあって、みんな黙々としてるのかなと思っていたんです。でもオンオフの切り替えがあって、休憩時間はみんな笑顔で和やかな雰囲気なんですよ。でも仕事になるとすごい真面目で、わからないこともしっかり教えてくれてという、すごくいいギャップでしたね。知れば知るほど社員の皆さんが面白い。いいところが見えてくるみたいな感じで。入社して3ヶ月経って、話したことがない人とも話せるようになり、コミュニケーションが取れることによって仕事がスムーズに回るようになってきました。一人で悩まずにどうしたらいいか聞ける雰囲気もあって、働きやすいです。そういう雰囲気を作ってくれている社長もすごいですよね。」
母の作るお弁当のような図面を作りたい
日々ナグテツで楽しく仕事をしている杉浦さん、その一方でスキルアップのため2ヶ月ほど出向して勉強しているのだそう。杉浦さんの仕事は、鉄骨CAD(注1)というツールを使い設計図を作ること。機械や建築のCADとは違い、専門分野になると言います。ナグテツの作る鉄骨は、建物の梁や柱となる部分。建築士の作る図面と杉浦さんの作る図面は何が違うのでしょうか。
「一本一本の鉄骨を作るには図面が違ったり変更が必要だったりするので、最終的な図面を見ながら修正していかないといけません。それが私の仕事です、この修正を間違えて現場に渡してしまうと、建物が建たなくなってしまうんですよね。下手したら命に関わることなので、面白い半分すごく怖いなと思って緊張しながらやっています。 それがやりがいにもつながっています。」
しっかりと正しい図面を引く。その精密さだけでなく、女性ならではの視点で柔軟な図面作りをしたいとも話してくれました。
「現場の人の要望も取り入れて図面を作りたいなと思っています。設計側からの意見も聞くけど、作る側の現場の意見も聞いて、見やすくやりやすいようにできたら。現場の人たちに悩む時間なく作業させてあげたいと思います。言うなれば母の作るお弁当みたいに、愛情込めた図面を作りたいですね。」
新たなチャレンジをするとき、その土台には安心していられる場があることが大前提です。杉浦さんが作る愛の詰まった図面も、樋口さんの優しい佇まいも、そして一歩引いて安心して働ける職場を支える社長のありようも、ナグテツの懐の深さを物語っていました。
株式会社ナグテツでは新しい仲間を募集しています!
冒頭で名倉社長は「歴史が浅い」と話していましたが、それは「歴史がないからこそできることがある」とも言えます。仲間とのコミュニケーションを大切にしながら仕事を楽しみたい方、安心して働ける環境の中でスキルアップしたい方はぜひ株式会社ナグテツを覗いてみてください。
求人募集要項
企業名 | 株式会社 ナグテツ |
業種 | 建築鉄骨 加工製造 |
従業員数 | 23人 |
売上高 | 2億円 |
設立 | 2019/4/1 |
事業内容/会社の特徴 | 主に関東方面のS造・SRC造の鉄骨梁を製作しています。最新の設備導入も積極的に行い、効率化において最大限の努力をしています。建築用鉄骨の製作にあたり設計をはじめ機械を使用した切断・孔明けから組立て、溶接業務、塗装まで行います。 弊社は設立4年目と若い会社のため柔軟に環境を作っていくことが強みです。業務上必要な資格や免許は会社の支援にて取得可能、未経験の方も指導いたします。 |
ポジション | 大型トラックドライバー兼 積み降ろし作業 |
雇用形態 | 正社員 ※3カ月間の試用期間があります。 |
雇用期間 | 期間の定めなし |
業務内容 | 自社工場(上越市)・固定取引先(長野県内)での鉄骨の運搬・積み降ろし作業を行います。 ごく希に、建て方現場への運搬もあります。 ※積み降ろし作業については丁寧に教えますので鉄骨に関して未経験でもご応募ください。 |
募集背景 | 新規募集の為 / 事業拡大のため |
勤務地 | 上越市名立区名立小泊140-16 |
応募資格 | 大型自動車免許必須 |
年齢 | 年齢不問 |
語学力 | 問わない |
選考プロセス | 面接(面接時履歴書持参) |
勤務時間 | 正社員 :8時~17時(1日7.5時間) 休憩原則 :12時~13時(60分) 10時~10時15分(15分) 15時~15時15分(15分) |
休日・休暇 | 週休2日制(日祝)(第2・第4土曜)、年末年始休暇、夏期休暇、有給休暇 |
時間外労働 | 時間外労働 あり(月平均15時間) |
給与 | ① 基本給(日給月給) 日給10,000円(②③の手当を除く額) ※試用期間日給9,000円・資格手当なし ② 時間外手当 ③ 資格手当 |
加入保険 | 社会保険完備(健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険) |
待遇・福利厚生 | ・通勤交通費支給 ・健康診断 ・賞与年3回(会社業績による) |
(注1)「Computer Aided Design」の略。コンピュータを使って設計をすることができるツール。
取材:はねうまネットワーク /撮影・編集:azoo 伊藤 修司/ライティング:諸岡 江美子
コメントを残す