100年の実績をベースに、新たな発想とICT活用で地域の暮らしを守る。

株式会社 山﨑建設(新潟県妙高市)

新潟県の南西部に位置する妙高市。山に囲まれた中山間地帯であることに加え、冬になると2、3メートルの雪が積もる日本有数の豪雪地としても有名なまちです。そんな厳しい自然環境の中でも私たちが不自由なく暮らしていけるのは、地域の環境を熟知した上で住まいや道路を守ってきた土木・建設業者の皆さんのおかげです。今回ご紹介するのは、この地で100年以上前から数多くの建築・土木工事を施工してきた株式会社山﨑建設です。

株式会社 山﨑建設とは?

1916年に「中郷木材」として現在の上越市中郷区(旧中郷村)で創業。材木屋の土建部が山﨑建設の始まりでした。その後建設部門がスタートし、さまざまな公共民間の建築工事や道路工事、地滑り防止工事などを施工。1990年にはドローンを使ったレーザー計測などUAV(無人航空機)の運用を専門とする会社「株式会社エアフォートサービス」を新たに設立。常に新しい視点で新技術やICTを取り入れ、地域の暮らしを守ってきました。

土木・建築という地域密着型の仕事でありながらも、建築業にとどまらない新たな発想で地域に新しい風を送る。その背景には一体なにがあるのか、3代目代表取締役社長である山﨑健太郎さんにお話を伺いました。

3代目代表取締役社長 山﨑健太郎さん。フレンドリーにいろんなお話をしてくださいました。

建設業にこだわらないから見えるもの

「エアフォートサービスは2代目である父が趣味だったラジコンを仕事に活かせないかということでスタートしたんです。私自身は2010年に妙高に戻ってくるまで、建設業には携わっていませんでした。アパレルや印刷会社の営業など、全く別の分野の仕事をしてきたんです。それが建設業らしくない方向に進んだきっかけのひとつかもしれませんね。また妙高に帰ってからは青年会議所や建設業の協会、市民活動に傾倒していました。従来の建設業が取り組んでいないことに視野が広がったのはその影響も大きいと思います。」

山﨑社長が経験してきた仕事は一見全く関係のない分野に見えますが、さまざまな部分で山﨑建設に活きています。

「社長になる前は総務部を管轄していたんです。そこでは求人関係の仕事もあり、営業の経験が役に立ちました。例えば会社のイメージアップを考えたとき、アイデアは結構豊富に出ましたね。建築業とは違った切り口でものごとを考えていくことができるというのは一つの強みになっています。」

建設業といえば、どちらかというと専門性の高い職人気質な仕事というイメージが強いでしょう。もちろん現場の職人さんたちはしっかりとした知識と経験を持つスペシャリストですが、同時にこれからは視野を広げて事業を展開していくことも必要だと山﨑社長は語ります。

「いま公共事業の予算は減ってきていると言われています。建設業全体に閉塞感がある中で、逆に建設業に染まっていないというところが山﨑建設の強みなのかなと思っています。」

他企業と連携して地域の未来を守る

そんな山﨑建設では現在、社長ならではの視点で新たな取り組みが始まっています。その名も「MYOKO UPCYCLE MARKET(ミョウコウアップサイクルマーケット)」。妙高に山積している地域課題を解決し、さらにお金に換えていけるような仕組みを作っていこうという考えのもとに立ち上がった取り組みです。廃材活用・空き家の再生・地域創生の3つを柱とし、会社や業種を超えて妙高の持続可能性を追求しています。その中で現在動き出しているのが「空き家の再生ミッション」です。

「妙高市では平均して年間500軒ぐらい空き家があります。その中で管理ができなくなっている空き家が増えていることも地域課題となっているんです。今回は空き家をリフォームし、県外からの移住者を呼び込むシェアハウスとしての活用を考えています。妙高も人口減少に悩まされている地域、これからは移住者だけでなく関係人口を増やしていくことが重要です。」

この空き家再生ミッション、実はリフォームしているのは山﨑建設ではなく妙高建設株式会社。なぜ自社ではなくあえて他社にリフォームを依頼しているのでしょうか。

「MYOKO UPCYCLE MARKETは地域の未来のための取り組みです。地域のさまざまな企業や団体と連携して進めることで、困難な地域課題にも向き合えると考えています。うちでもリフォームは可能ですが、よりリフォーム性の高い妙高建設株式会社様と連携することで可能性が広がります。入居者の募集など情報発信は、新潟移住計画を運営しているNPO法人はねうまネットワーク様にお願いしています。

今はあくまで私の思いで個人ベースでやっています。今後採算ベースに乗って持続可能になり事業化されていくことで、建設業としてだけではなく企業として地域で必要とされるのだろうと思っています。」

それぞれの強みを活かし、個をつなげていく。山﨑建設の視野の広さは、確実に地域に新しい流れを作っています。

1%でも思いがあるなら、可能性を追いかけよう

「私がいつも社員に言うのは、確率じゃなくて可能性で考えてほしいということです。70%できるからやろうという仕事は大体他の人がやっていること。そうではなくて、可能性を追いかけて仕事をしてほしいと思っています。

建設業は安全確保が絶対に必要なのですが、安全というのも確率じゃ測れないんです。70%安全だから大丈夫ではなく、危ないかもしれないという可能性で考えていくと上手くいきます。だから建設業は確率よりも可能性で考えるほうが合っているんですよ。

自分がこういう仕事をしたい、そういった思いが1%でもあるならぜひ山﨑建設に入ってきてほしいです。その可能性を開花させる自信はあります。」

山﨑社長はそう力強く語ってくれました。

山﨑社長のうしろに、MYOKOの文字が。

今ある環境を変えることは、誰にとっても度胸のいること。就職をはじめ、転職もUIターンも簡単に決められることではありません。それでもきっとこのページを見ているあなたは、なにか今の環境を変えたいという思いがあるはず。山﨑建設はその思いを育てるチャンスをくれる会社なのかもしれません。

最後に一緒に働く仲間に求めることをお聞きしました。

「一番大事なのは妙高を好きな人ですね。そして山﨑建設も愛してくれる人。愛があれば最終的にも向上心も生まれますから。」

安心して子育てできるまちで働く

今回は山﨑建設で働く社員の方にもお話を伺いました。お一人目は土木部管理課主任の片香織さんです。関東の大学の工学部で学び、神奈川の建設会社に4年半勤務した後、妙高にUターンし山﨑建設に入社しました。

土木部管理課主任の片香織さん

「一般的には現場監督というとわかりやすいですかね。現場管理の仕事をしています。具体的には施工計画を立てたり測量したり、現場での一連の作業の段取りをやっています。」

そう話し始めた片さんは、その肩書きとは真逆な温かいオーラで私たちを迎えてくれました。それもそのはず、片さんは現在4歳の男の子のお母さん。お子さんを保育園に預けながら、フルタイムで働いています。

「休みの日は子どもと公園に行ったり、近所の芝生でサッカーしたり、主人もDIYが好きなので3人で花を植えたり土いじりもしてます。こういった仕事をしていると土曜日に現場に出なきゃいけないときもあります。そういうとき子どもは主人にお願いしているのですが、会社としても隔週で土曜日は休むようにしているのでありがたいなと思っています。」

子育てと仕事を両立できるか。移住や転職を考えるとき、女性にとってはとても大きな不安要素になります。仕事とプライベートのバランスが取れる職場か、子育てに関して理解のある職場かはとても重要です。加えて、安心して子育てができる環境かどうかも気になるところ。片さん自身が妙高にUターンして子育てをする中で感じたことについても聞いてみました。

「子どもと歩いていると近所の方が声をかけてくれるんですよ。柿ができたらそれを取ってくれたりと、いつも気にかけてもらっています。関東にいた頃は、そういう近所の方とのふれあいはなかったので、地域の方とのコミュニケーションがあるのはありがたいですね。子どもが大きくなれば一人で出かけたり、遊びに行ったりということも増えるので、こういう地域で暮らせるということに安心感があります。」

いつも親と一緒だった幼児期を過ぎ、子どもが自分の足で地域に出ていくとき、地域の見守りがあれば親自身も安心して仕事に打ち込むことができるのではないでしょうか。地域で暮らす安心感と仕事の充実は、一見関係ないようで実は密接に関わり合うものなのだと片さんのお話から感じました。

重機を乗りこなす姿がかっこいい。

「この仕事は一つひとつの現場が同じということがないので、次の現場はどんなだろうと楽しみになります。現場ごとに気持ちが切り替えられますね。私自身はコツコツ作業することが好きなので、CAD(注1)を使って図面を作る作業が好きなんです。真っ白な図面がきちっと完成したときにやったぞって達成感があります。女性だからって甘えちゃいけないとは思っていますが、周りのサポートもあってこうして仕事ができています。少しでも興味を持ってもらえたら、女性にもぜひチャレンジしてもらいたいですね。」

山﨑建設での仕事の楽しさを笑顔で語ってくれた片さん。職場のサポート、そして地域の温かさはそれだけでなく片さん自身が自然体で周りと向き合ってきたからこそ得られたものなのかもしれません。地域で暮らす、働くために必要なあり方を片さんから教えてもらったような気がします。

(注1)「Computer Aided Design」の略。コンピュータを使って設計をすることができるツール。

日々進化する技術とともに成長する

次にお話を聞いたのは、エアフォートサービス運行管理課主任の金子瑞穂さん。冒頭でも触れましたが「株式会社エアフォートサービス」はドローンを使ったレーザー計測などUAV(無人航空機)の運用を専門に行なっています。金子さんはこちらで、ドローンで撮ってきたデータを三次元化してお客様にわかりやすいデータにするお仕事をしています。

エアフォートサービス運行管理課主任の金子瑞穂さん

以前は金融機関に勤めていた金子さん、元々地元に貢献したいという気持ちが強かったと言います。転職先として、前職とは全く違う業種である山﨑建設を選んだ理由を次のように話してくれました。

「山﨑建設を選んだのはドローンを使ってのICTや、建設のDX(注2)など新しいことに挑戦し続けている企業だったからです。ICTが進んでくると公共事業が充実して、インフラ整備にも携わることができるので、そういう面で地元に貢献できるかなと思いました。」

現在はまさに最新鋭の技術を使って仕事をしている金子さん、仕事の楽しさや女性だからこそできることについてもお話を伺いました。

(注2)デジタルトランスフォーメーション。進化したデジタル技術を浸透させることで人々の生活をよりよいものへと変革すること。

ドローンで撮影したデータを、三次元化する。

「私の仕事は一つひとつ細かいデータを処理していく仕事なので、女性ならではの視点で細かい部分に気を遣って仕事ができているかなと思います。大変なことは、現場によって一つひとつ条件が違うことですかね。私自身が現地を見てくるわけではないので、できるだけその現場の状況を細かく聞くようにしています。営業係さんとお客様のやりとりとか現場係さんとのやりとりとか、コミュニケーションを欠かさないように気をつけています。その結果、高精度のデータをお客様にお渡しできたときにやりがいを感じますね。」

データと向き合う仕事だからこそ、関わる人たちとのコミュニケーションをしっかりと取る。細やかな視点や、柔軟なやりとりは女性ならではの視点を活かせるチャンスでもあります。

さらに今後のキャリアの展望についても金子さんはこう語ります。

「私自身はデータを高精度で作っていくというキャリアを築いていきたいなと思います。レーザーの測量は日々発展していてたくさんよい機械が出ています。それについていけるように、自分自身勉強していきたいなと思ってます。」

金子さんのように、向上心を持ち自ら勉強していくことが好きな方には、常に最新の技術を取り入れ挑戦していくこの仕事はぴったりです。

山﨑建設では、新たな仲間を募集中です!

山﨑社長が語っていた山﨑建設の強み、視野の広さ。女性の視点を活かすこと、仕事だけに捉われず暮らしや子育てを含めた地域から考えること、一企業だけでなく他団体と連携して企業の価値、そして妙高の価値を向上していくこと。山﨑建設では、新たな視点でチャレンジする仲間を募集しています。あなたの視点を山﨑建設で生かしてみませんか。


求人募集要項

企業名株式会社山﨑建設
業種建設業
従業員数46
売上高15億
設立1959/3/14
事業内容/会社の特徴妙高市を中心に事業を展開している総合建設会社です。
土木事業として、道路・橋・河川護岸工事などのほか、冬季間には除雪車による道路除雪作業を行い、
建築事業として、官公庁施設や民間建築物の建設、不動産・民間住宅事業なども行っています。
また、2021年より空家と建設廃材の利活用を目指す新規事業にも取り組んでいます。
ポジション土木技術者、建築技術者、建築設計積算士、土木作業員
雇用形態正社員  
※3カ月間の試用期間があります。その間の待遇・給与に変更はありません。
雇用期間期間の定めなし
業務内容土木技術者:公共土木工事の施工管理業務。
建築技術者:公共・民間建築物の施工管理業務。
建築設計積算士:公共・民間建築物の積算設計業務。
土木作業員:主に公共事業の土工業務、機械士工業務。冬季は除雪業務。
募集背景新規募集の為 / 事業拡大のため
勤務地◆土木・建築技術者・建築設計積算士 : 本社(妙高市東陽町2-20)
◆土木作業員 : 中郷モータープール(上越市中郷区松崎466)
応募資格土木作業員:普通自動車運転免許必須
土木・建築技術者、建築設計積算士:1級または2級の土木・建築施工管理技士、建築士の内いずれか必須
年齢59歳以下
語学力問わない
選考プロセス書類選考・面接選考
勤務時間正社員  :8時~17時(実働7時間)
時短正社員:1日6時間以上、週3日以上 ※ 働き方の多様化を応援します
休憩原則 :10時〜10時30分 , 12時~13時 , 15時〜15時30分 ※ 休憩2時間 
休日・休暇完全週休2日制(土日祝)、年末年始休暇、夏期休暇、有給休暇、年間休日120日以上
時間外労働時間外労働 あり(月平均20時間)
給与① 基本給  200,000円~300,000円(②の手当を除く額)
② 資格手当 2,000円~15,000円
③ 役職手当 20,000~50,000円
加入保険社会保険完備(健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険)
待遇・福利厚生・ 通勤手当:2km以上15,000円上限/月
・作業着の貸与
・退職金共済、確定拠出年金
・扶養手当:2,000~15,000円

取材:はねうまネットワーク /撮影・編集:azoo 伊藤 修司/ライティング:諸岡 江美子

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